【松尾直伝!仕組み化のススメ13】大企業の採用活動は仕組み化されている!
いつもマネジメントデザインのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
代表の松尾淳一です。
「仕組み作り」についてお伝えしていく「仕組み化のススメ」シリーズ、第13弾です。
前回第12弾では、
「仕組み化しなければいけない要素」の「マネジメント部分」について
お話ししました。
企業における「マネジメント」として、
「人を増やす、活かす、定着させる(減らさない)」という
3つが大事になってきます。
その中で、
企業が「人を増やす」ための要素「募集→採用→面接」を取り上げました。
「募集→採用→面接」は
一連の採用活動で同じ流れに見えますが、
それぞれの要素で「やるべきこと」が違います。
それぞれの要素にどのように取り組んでいくかが、
「良い人材」を増やすためのキーポイントになります。
今回は「マネジメント部分」の仕組み化の続きとして、
「募集」「採用」「面接」について
大企業の例を取り上げながらお話ししていきます。
大企業が採用活動でやっていること
私は仕事柄、大企業の採用活動に関わる機会にも恵まれています。
そこで感じるのは、
大企業は「人を増やす」ためのマネジメントの要素が明確になっており、
採用活動が「仕組み化」されているということです。
「募集」「採用」「面接」のそれぞれの要素を分けて考えており、
それぞれの要素で「やるべきこと」を決めて取り組んでいます。
■募集
まず「募集」の段階を見てみましょう。
ある大手企業では、
求人応募があったタイミングで、
応募者に素早いレスポンスと自社の紹介メールを送っています。
「求人応募が来たら1時間以内に感謝をつづった返信メールを送る」といった
ルールを明確化しています。
そして、実際に活躍している社員やスタッフの声、
メディアなどで特集された自社の記事や動画があれば
それらもメールで一緒に送っています。
「募集」の段階で、応募者へ自社のアピールも行っているのです。
「応募ありがとうございます!
我が社ではこんな取り組みをしているので、ぜひ見てくださいね!」
応募後すぐにこうした返信が届けば、
応募者も安心し、ますますその企業に興味を持ちますよね。
大企業は、「募集」のレスポンスの時点でやるべきことを決めているのです。
・応募がきたら◯時間以内にすぐレスする
・レスの内容も決めておく
といように、誰でもすぐ対応できるように仕組み化されています。
前回のブログで、ある経営者から
「これまで求人広告に10万円をかけて、1人しか応募が来なかった。
同じ10万円で3人に増やしたい」
というような、
「応募者の数を増やしたい」という要望があったとお話ししました。
※過去記事はこちら↓
【松尾直伝!仕組み化のススメ12】仕組み化すべき要素:マネジメント
その方に後々話を聞いてみたところ、
「10万円を使って3人応募がありましたが、
面接まで来たのは1人。結局誰も採用しなかった」とのことでした。
せっかく3人の応募者があったのに、一体何があったのか!
「募集」後の対応をヒアリングしたところ、
「忙しくてすぐに返事できなかった、土日も挟んだので
レスポンスは3日後になった」との答えでした。
応募に対する返信は、なにも代表者や経営者本人が直接しなくてもいいのです。
作業を1人が抱え込んでしまい、
「今忙しくてできない」という状態になってはもったいない。
応募があったら誰でも返事できるように、
・全体の採用アドレスを作り
・応募者に対する返信用の文面のフォーマットを決めておき
・応募があったら1時間以内に返事をする
というな、仕組みを作っておけばいいのです。
そうすれば、応募者を次の段階(採用試験や面接)につなげることができます。
■採用
大企業では採用基準もしっかり決めています。
「基準を定めたテスト」を必ず実施し、合格者を採用する。
少し基準に足りない人や可能性がある人も
補欠合格として研修生やアルバイトとして雇用し、
サポートしながら様子を見る場合もあります。
「人が足りないからとりあえず採用する」ということはしません。
そのため、ミスマッチが少ないのです。
面接は応募があった人への「営業」です
■面接
大企業の場合は、「面接担当者」を必ず決めています。
代表者や経営者の面接は「最後の砦」です。
そこまでに「面接担当者」が
「共通の認識と基準」をもって、ふるいにかけるのです。
面接の場では
・自社がどういう企業か、どのような理念や考えを持っているのか
・応募者に何を求めているのか
というような、
「こちらが求める部分」についても明確に伝えます。
いわば、
「応募者がその企業に惚れるようなプレゼン」をするのです。
面接に来た人が入社したくなる、
ほかの企業を辞退してでも入りたくなる、
そんな「惚れさせるプレゼン」をしなければいけません。
面接は、応募があった人への営業です。
経営者や代表者の感覚ではなく、
経営者、代表者以外の人も「同じ基準」を持って
応募者にアピールしていかなければいけません。
誰でできるようにしないといけないのです。
大企業は「会社の規模が大きいから強い」のではないと思います。
「誰でもできる仕組み」が整っているのです。
こうした企業では、
人事部や人材開発部の部署に対して
22~23歳という新卒の若い社員が配属される場合もあります。
しかし、経験のない新人の彼らでも、
採用活動を担える、活躍できるような「仕組み」が整っているのです。