【松尾直伝!仕組み化のススメ19】「バイブル」で仕組み化を進める
いつもマネジメントデザインのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
代表の松尾淳一です。
「仕組み作り」についてお伝えしていく「仕組み化のススメ」シリーズ、第19弾です。
第17、18弾にわたって、「テスト」の重要性についてお伝えしてきました。
「マニュアル」を作って社内で「仕組み化」を進めていく中で、
「テスト」は社員やスタッフの「達成度」を確かめるための重要な手段です。
「テスト」を実施するうえで、
・企業や従業員の状況に合わせて、適切なタイミングでテストを行う
・テスト問題の内容は基本:応用:発展=6:3:1の配分にする
・「前提条件」を明確にする(教育レベルは下げない)
・テストの結果を受けて、社員の「良かった点」「悪かった点」「今後につながるアドバイス」などを本人にフィードバックする
・フィードバックは「すぐに」「具体的に」「確実に」行う
というポイントをお話しました。
今回は、さらに「仕組み化」に必要なものとして、「バイブル」を挙げます。
「バイブル」
直訳すると「聖書」ですが、どうして「仕組み化」に必要なのでしょうか?
ビジネスをするうえで、
経営者のみなさんの考え方や想いなどを「いかに広げていくか」、
つまり「布教していくか」というのは、大事なポイントです。
そのためには聖書のような、
導く人の考えや想いの詰まった「バイブル的なもの」が必要になってきます。
「仕組み化」に必要な「バイブル」は、
「マーケティングを目的としたもの」と「マネージメントを目的としたもの」の
2つの分野で必要になってきます。
マーケティングを目的とした「お客さまを集めるためのバイブル」
「マーケティングを目的としたバイブル」は、
みなさんが行っているビジネスや自社商品、企業運営の「信頼度をあげること」を目的としたツールを指します。
つまり、「お客様を集めるためのバイブル」です。
商品やサービスのこだわりや想いなどを「文章」として書き起こすのです。
文字として残しておくことで、お客様により自社のことを理解していただける効果があります。
また、その文章を冊子にすることで、捨てられない「広告物」となります。
・社長や経営者の考え方、思い
・お客様に対してどんなサービスを提供するか
・自分たちがどういった強みを持っているのか
・時代に合わせてどう変化していくか
などの想いを、自分たちの「バイブル」として伝えていくのです。
じっと待っていてお客様が勝手に集まってくるわけではありません。
お客様のために、市場へこちらの考え方を投下するのです。
マネジメントを目的とした「スタッフや社員を育てるためのバイブル」
もう一つの「バイブル」は、「マネジメントを目的」としたものです。
社員やスタッフに対して、経営者の考え方や想いを布教していくのです。
つまり、「経営者が考えていることを組織の中で広めるためのもの」です。
社長や経営者の考えやサービス方針を冊子にまとめ、
新人教育など、社内向けの教育ツールとして社員教育に活用することができます。
経営者の考えを文章化することで、「伝えたいこと」「守ってほしいこと」などが明確になります。
こうした社員やスタッフ向けの「バイブル」は、
「社員やスタッフが自分の考えを理解してくれない」
「自社サービスに関する想いを理解してほしい」
といった問題を解決するのに効果的なツールとなります。
私が知っているある企業では、
社長の考え方や理念をA4用紙に4~5枚の冊子にした「バイブル」を作っています。
その「バイブル」を、採用の段階で使用しているのです。
その企業では、
求人を出して応募があった際、面接前の応募者に「バイブル」を渡しています。
経営者の考えや想いの詰まった「バイブル」です。
この「バイブル」を読んで共感できる人とのみ、面接を行うようにしています。
もちろん、面接者が減るリスクもあります。
共感しない人はその時点で去ってしまうからです。
一方で、「バイブル」(経営者の考え方)に共感できない人、
つまり、この企業に「合わない可能性のある人」を採用するリスクも減るのです。
「バイブル」は採用効果をあげるための仕組みにもなるのです。
「バイブル」を作る方法はさまざまあります。
紙媒体や小冊子にして、いらっしゃったお客様に配布してもいいですし、
公式サイトなどに文章として掲載する形もあります。
また、WEB上で冊子をダウンロードできるようにしたり、動画を作って公開する手もあります。
本当はこの「バイブル作り」ひとつとっても、もっと時間をとってお話したいほどコツやテクニックが必要です。
・経営者の考え方や強みは何か
・こちらの想いをどのように表現すれば伝わりやすいか
・どのようにまとめるとインパクトが出るのか
など、「バイブル作り」の手法や技術は多岐にわたります。
ひとまずは、
「バイブル」が「マーケティング的にもマネジメント的にも効果のあるツール」であることを覚えていただければと思います。
お客様に対して、そして社員や従業に対して、
経営者や社長のみなさんの考え方を浸透させ、共感させていくこと、
これも大事な「仕組み化」のひとつなのです。
もし、あなたの会社で「バイブル」を作るとしたら、どうしますか?
どんなことを伝えたいですか?
A:社外用(お客様向け)
B:社内用(社員やスタッフ向け)
この2つに向けて、自分の考えや理念、想いなどを書き出してみてくださいね。