上司とのコミュニケーション術
このブログは、「松尾淳一の組織運営ラボラトリー」で発言した内容を、
ほぼ忠実に再現しております。
─文字で読むと意味が分かりにくいよ!
─文章間違ってるよ!
といったご指摘もあるでしょうが、ライブ感を大事にしています。
どうぞご容赦ください。詳しくは、ページ下部よりPodcastをお聞きくださいませ。
松尾淳一の組織運営ラボラトリー
第28話「部下の悩み|上司によって言うことが違う」
2023年11月公開
今回のお悩み
営業の新人1年目です。業務には少しずつ慣れてくる中で、まだまだな部分もたくさんあります。周りの優しい先輩が色々と教えてくれるのですが、 人によって言うことが違うのでどれが正しいのか迷うことがあります。せっかく私に指摘いただいたものは改善しないと悪いと思うのですが、 全部を聞いてしまうのも違うと思うので、どうしたらいいのか教えてください。
松尾淳一
これ、そのまま上司に言えばいい。
鈴木健一
─誰々さんがこんなこと言ってたんですけど、これどう思いますか。っていう風に。
松尾淳一
そうですね。難しいけど、言えたらその方がいいですよね。でも、質問の文体から見るとまだお若いんでしょうね。
鈴木健一
─そうですね。4月1年目なので、入社して5か月ぐらいですかね。
松尾淳一
新卒なんですかね。
鈴木健一
─えぇ、新卒です。
松尾淳一
そうなんですね。じゃあ難しいですね。さっき私が言ったように、できるんだったら、そのまま相談してみる。
鈴木健一
─はい。
松尾淳一
人によって、言うことが違うのでどうですかね。迷ってしまいます。っていうことは、そのまま言った方がいいことなのかなと思います。
ただね、新卒の方に対してみんなアドバイスしていくと思うんですけど。おそらく会社としては、その新卒の担当って誰なのかってある程度決まってるはずなんですよ。だから、その人を軸にまとめていくってことが正しい。 ワンマンワンボスっていうのがあって、1人の人に1人の上司ってワンマンワンボス。2人の上司がいると、例えば、Aさんが右を向けって言ったら右を向く、 Bさんが左向けって言ったら左向くし、もう1回Aさんが右向けって言ったら右向くし。でもそれ見てBさんが怒るし…。 それ繰り返すとどうなるかっていうとこ、右も左も見なくなるんですよ。怒られちゃうから、どっち見ても。っていうことになってしまうんですよ。でも、仕事として会社ってそういうことがやっぱり組織にはある。だから、 ある人の考え方をちゃんと忠実に、その人を軸にして、他の方のアドバイスを聞いていくってことが大事。やはり自分の直属の上司っていうのは誰かっていうことは、確認をした方が良いと思いますし、それは決まってるんではないかな。もし決まってないんだったら、自分でその中から決めちゃえばいいんですよ。
鈴木健一
─筋のいい指摘だと思ったものを。
松尾淳一
そうですね。筋がいい、っていうのは自分として納得がいく。 例えばプロ野球とかでも。投手出身の監督と、打者出身の監督だったら、チームのマネジメントの仕方ってやはり違うと言われる。再配の仕方が違うって言われる。
鈴木健一
─はい。
松尾淳一
たぶん、投手出身の監督だった場合は、投手はよく育つし、打者出身の場合はその逆が起こりうる可能性がありますよね。 自分と合う方のタイプがあって、この人の話は自分の中にすんなり入ってくる。納得いくコミュニケーションの周りとか、取り方とか、話し方とか、使ってもらってる単語とか、そういったのは自分の中で腹落ちしますよね。年齢じゃない。そういった方を探していく。その方を軸に組み立てていった方がいいですよね。自分が例えば野球でバッタータイプだったら、 バッターの方の言うことだったら言うこと聞けるわけじゃないですか。で、投手出身の人はこうやって言ってるよ、としたらバッターの上司の人を軸に、あの方はこうやっておっしゃってたんですけど、どうなんですかね。っていう風に聞いた方がいいです。そうしたら、バッターの感覚としては、その投手タイプの人の言うことわかるんだけど、バッター目線で言うとこうだから、 君もバッター寄りだと思うんで、こういう風にした方がいいよって言ってもらった方がわかりやすいうんですよね。自分とタイプが近いとか、この人の考え方に共感できるとか、コミュニケーションにストレスがないというか。
上司を選べるんだったらの話ですけどね。その方を中心に自分の中で決めていくということが大事ですね。全員やっちゃダメですよ。
組織上、1人の部下に1人の上司っていうのは決まってるはず。 上司1人に部下5人ていうのはありますが、部下からすると、1対1ということになっていくんで、それ以外の方は、その上司の方を軸に聞いていくっていうことをやってもらった方がいいかなと思いますね。
鈴木健一
─1年目のこの方からすると、先輩というだけでみんな凄そうに見えますし、何が強みと なってる先輩なのかもわからないまんまを聞いてしまってるところもあるんでしょう。
松尾淳一
そうですよね。文章の揚げ足取るようですけど、どれが正しいのか迷うことがあります、ってあるんですが、そりゃ何人かの意見聞いてたら迷うよね。だから迷いたくなければ、1人の意見しか聞かなきゃいい。そこを入口にした方がいいです。例えば、居酒屋に行ってどの焼酎の銘柄が美味しいですか?って5人に聞いて、5人がそれぞれ違うの言ったら、鈴木さんならどれを飲みます?
鈴木健一
─迷いますね。
松尾淳一
迷いますよね。しかも周り5人とも上司だったら5杯飲まなきゃいけないかもしれない。
鈴木健一
─そうですね(笑)
松尾淳一
5杯飲んでどれが美味しいとかわからないじゃないですか。お酒がわからないとかじゃなくて、仕事上経験したことがないとかだったら、どれが美味しいって言われても困るし。5倍労力使ってるのに、結局そのうちの1つなんて選べない。
鈴木健一
─本当にそうですね。だから全部聞いてしまうっていうのも手なのかなと思ったんですが、まあ、仕事においてはそういうわけにもいかない。
松尾淳一
ステップとしては、今、いろんな方の意見を聞くということなんですけど、自分の感覚と合った人を探すために、その意見を聞くっていう目的に変えるんであれば、 皆さんとコミュニケーションを取っていくってのは非常に有意義なことになると思うんですよね。まだ新卒の方なので難しいと思いますけども、 上司の方とコミュニケーションを取るときに、こちら側も目的を持ってタイプが自分と感覚が近くて、自分を伸ばしてくれそうな人は誰か。この方との接点を多く持った方が自分の成長は早くなるし、よりクリティカルな質問をもらえるし。そういう人探しっていうのをいつまでにやるってことは、まず決めた方がいいか思います。
あと、根本的に言うと、組織の中でこの人っていうのはおそらく決まってるはずだから、その人ということになるのかなと思いますけどね。
鈴木健一
─そうですね、1年目の方たちはみんな経験することなのかなという風に思っていましたが、 確かにいろんな方が会社にはいらっしゃるので、いろんな人に意見を聞きながら、自分に合った人を探しに行くという意味合いで色々と聞いていることは間違ってるわけではないですよね。もう1つ、とは言っても上司はいるはずなので、その方に、きちんとこういうことがありました、どう思いますか。という風に意見を仰ぐというのも手です。
松尾淳一
そうですよね。
鈴木健一
─ありがとうございます。
ではお時間もいいところになりましたので、この辺にて。松尾先生、本日もありがとうございました。
今回の主なポイント
- 相談のアプローチ:
直接上司に悩みを伝え、具体的なアドバイスを求める。 - 上司の選択:
上司の中で自分に合ったタイプを見つけ、その人を軸にしてアドバイスを受けることが重要。 - コミュニケーションの重要性:
上司とのコミュニケーションを通じて目的を持ち、自分に合った上司を見つけることが成長に繋がる。 - 意見の絞り込み:
複数の意見を全て聞くのではなく、自分に合ったタイプの上司の意見を重視することが効果。
Podcastで実際にお聞きになれます。