組織進化のカギ:ハイブリッドなアプローチで挑むリモートワークの未来 - 株式会社マネジメントデザイン

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組織進化のカギ:ハイブリッドなアプローチで挑むリモートワークの未来

松尾淳一の組織運営ラボラトリー

31話「部長の悩み|リモートワークをなくすべきか」
2023年11月公開

 

今回のお悩み
営業部長です。
コロナで変えた運営組織を続けるかどうか迷っています。特に今悩んでいるのはリモートワークです。
営業メンバーは外回りが多く、出社をしなくても営業ができることがわかりました。売り上げ自体は順調ですが、対面のコミュニケーションが減ったことで今後影響が出る可能性があるかもしれません。
zoomの会社がリモートワークをやめた記事も拝見し、やはり見直さねばと思うのですが、 どのように考えていくといいでしょうか。

 

鈴木健一
当社もフルリモートだったんですけれど、9月からリモートワークを全部やめたっていうわけではないですが、週4出社に変わりまして。それはそれで、私は非常にいいなという風に改めて思ったりするんです。リモートワークやめるのを拒む社員さんもいるっていうのも、ちらほらと聞いたりもするんですけれど…。 どちらかというと対面のコミュニケーションが減って、何かが生まれなくなっているっていうところがあるんであれば、出社をするっていうのもいいのかなという風に個人的には考えていて。松尾先生はどのようにお考えですか?

松尾淳一
ちょっと違う話ですけど鈴木さんは焼肉と焼き鳥、どっちが好きですか。

鈴木健一
焼肉です。

松尾淳一
どんな時に焼肉食べたいですか。

鈴木健一
仕事で疲れた時に。

松尾淳一
じゃあ焼き鳥は?

鈴木健一
胃がもたれてる時。

松尾淳一
なるほど。なんて言うんですかね。さっき鈴木さんは焼肉っていう即答されたんですけど、焼肉と焼き鳥どっちがいいよね。って話じゃなく、こういう時は焼肉、こういう時は焼き鳥みたいなケースバイケースだよねっていうことだ思うんですよね。
例えば、みんなでわいわい色々話をしながらとか、ちょっと体力使うようなことをして達成感あるので、みんなでお祝いは焼肉かもしれないし、少人数で、 仕事も含めて色々と相談したい。そういった形になると、焼き鳥屋のカウンターみたいなとこで、ちょっと落ち着きながら話をした方がいいよねっていうことかもしれないですよね。また、肉の特性もあるかなと思うんですけど使い分けってことだと思うんですよ。毎日焼肉だったらどう思います?

鈴木健一
いや、ちょっときついですね。

松尾淳一
ね。逆に毎日焼き鳥だったら、

鈴木健一
ちょっと物足らないですね。

松尾淳一
胃もたれする時って言ってたけど、焼き鳥は。

鈴木健一
はい

松尾淳一
焼き鳥で胃もたれするかもしれないじゃないですか。そういうようなところの使い分け、人間って、白黒つけたがるじゃないですか。どっちがいいの。みたいな。ではなくて、両方のいいところを合わせていくっていうことが大事で、そういう発想にならなきゃいけないんですよね。この質問者さんにあったように、あのzoomの会社がリモートワークをやめた、そういう動きがあると、我々もやめるかみたいな。ではなくて、自分たちの会社ではどれくらいの白黒ではない、どれくらいのグレーが自分の会社のホワイトなんだろうか、軸足なんだろうかということを考えていかないといけなくて。どっちかが悪でどっちかが正しい、その善悪の区別をつけるみたいなことではない。

鈴木健一
そうですよね。

松尾淳一
実際、僕はそういったところで上手いなと思う会社がクライアントさんの中にも何社かあって。成功してる会社っていうのは、リモートを強制的にコロナの期間中に我々は体験し、その中でリモートの何が良かったのか、対面営業の良さなんなのかを客観的に、それをミックスして、自分たちの営業方法はこういうこと。要はハイブリッドだよねということを組み立てる会社が強いなと。

リモートだからリモートですとか、周りがリモートをやめたから我々も対面だみたいな。直接会った方がやっぱりいいよね、というのを僕は「短絡的」だと思っちゃうタイプ。どっち。じゃなく良さを組み合わせた上で、どういうような仕事のやり方していくかが大事。

鈴木健一
例えば、営業組織は外回りが多く、 基本的にお客さんと接してるような仕事の舞台であれば、どういう風にこう考えたりされますか?

松尾淳一
営業さんだと、対面でやらなきゃいけないところってどこなんですか。アプローチがあってこの先どこですか。

鈴木健一
上位者接点であったりだとか、顔合わせみたいな。あとは細かな具体的なヒアリングをするまで段取りの時とかよく対面でやってたりします。

松尾淳一
基本的に、リモートでやることよりも、対面でやった方が質が高い可能性が、当然あるわけじゃないですか。ただそこに対して、時間とかクオリティという軸が入ってきた時に、果たして全て対面でやるべきなの。という ことでもあります。どの辺りのところで生産性とか考えたうえで、ここはリモートでいいよねっていう風にやっていくのか。

人にしかできないことに人の仕事は集約させるべきであって、これはメールでもいいだろうし、zoomでもいいだろうし、 郵送でもいいよねっていうことは、極力人じゃない媒体でやっていくような仕組み作りをしていかなければ、再現性が仕事では持てないわけで。やっぱりその延長に対面の営業がいいよねっていう話をずっと突き詰めていっちゃうと、労働収録型の営業になって、一部の人に仕事が偏って、できる人しか営業が成果が出ない、出来ない人はできないというような逆の2局が生まれます。

今のうちにzoomだとか、要は対面じゃなくてもある程度成果が出せた、この仮説というか、実験というか、何を拾っていきながら、自社なりの再現性を作っていく。AI化、IT化、DX化を推進した方がいいという話もあるわけで。その中で全部をマンパワーで回していくとか、対面の営業を100パーセントにしていこうって、僕が思うには経営判断として、ちょっと判断が弱いのではないかなと。思慮にかけるのかなと思います。

鈴木健一
えぇ、確かにそうですね。私が聞いてる他社さんとかだと、 営業の売り上げで出社するが決まってたりするところもあって、芳しくない人は完全出社で、ハイパフォーマーは自由っていうのもあったりして。そういうのも考えとしてありなのかなって思うんですけど。それはちょっと尖ってるなって。

松尾淳一
それはハラスメントというか…ですよね。成果出る人がどうしてるかであって、そのやり方を平準化して他の方にも伝えていくってことが正しいアプローチ。ムチや罰を与えることによって、これが嫌だろうから出来るようになるよっていうのは。それは、やり方としては、家畜に対してやってることと一緒。あんまり良くないですよね。本人たちがやりたくてやってるんだったらいいんですよ。

鈴木健一
合意してるんだったらいいですけど。

松尾淳一
前提で思うんですけど、 最初に焼肉か焼き鳥かって話をしましたけど、やっぱり特に日本人は白黒つけたがるところがあるんです。フルで行きたがるんです。でも、本当の日本人の良さっていいとこ取りの器用さだから、そういうのを考えていった方がいいですよね。リモートの良さと対面の良さを組み合わせて、どういった営業の形にしていこうか。営業だったら、営業プロセスがあるじゃないですか。アプローチから、提案とか。その中でこれはどっちがいいんだろうか。やった時にどれくらいの時間がかかるんだろうかだと思うんです。確かに、1社1社訪問して説明した方がいいよねって考えもあるんだけど、そうすると移動も含めると、1社あたりにかかる時間っていうのが3時間かかる。1日3件しか回れない。でもzoomであるとか、もしくはsnsとか活用すれば、100社に1時間でリーチできるならどっちがいいですか。

鈴木健一
もう、それは早い方と言いますか。

松尾淳一
かもしれないですね。でも、それは営業の判断じゃないですか。

鈴木健一
はい。さきほど白黒という話ありましたが、私がどちらかというと白黒つけたがるんです。

松尾淳一
世の中、白黒とか1番生きにくいんですよ。グレーなんですよ。

鈴木健一
グレーが悪いってわけでもないって話ですよね。

松尾淳一
グレーっていう言葉がちょっとネガティブなイメージありますけど、どれくらいの割合でやっていくのが、自分たちにはちょうどいい仕事の関係なんだろうって。リモートと対面の。 そこを今は考えていくべきだろうなと思います。

鈴木健一
確かに。

松尾淳一
結構忘れがちなんですけど、例えばリモートが対面かって言った時に、その二者択一論みたいな話をされることもあるんだけども、そこに対して答えはリモートか対面かの2択じゃないよね、グレー真ん中だよねって話なんです。ただもう一方では、その議論っていうのは、本当は営業やってる従業員の意向を聞かなきゃいけないんですよ。だってリモートで営業やってやってくれてたの、その現場の人たちだから。

リモートの良さってどんなとこなの。実はこれは結果しかわかってない。プロセスおよび結果しかわかってない。経営陣からするとわかんないですよ。だって、リモートやったのは、遠隔でみんながやってくれたわけだから。実際、リモートってどの辺が良かったの。っていうこととか。それをちゃんと聞いていくっていうことですよね。従業員の意向を聞いて、 会社として営業の成果を上げていくにはどういうようなハイブリッド な体制作っていこうかっていう。そこに対しても従業員の声を聞きながら、参加してもらいながら進めていかないと。今までリモートでいいよって言ってやってたんだけど、対面だって舵を切った時に従業員のモチベーションってのは、維持できる人とできない人ってやっぱ別れるわけじゃないですか。新人の方とかは、もしかしたらリモートでの営業の時間のほうが長いかもしれない。のちに対面だって言われてもって。

鈴木健一
そんなの急に言われても。っていうふうに思う方もいらっしゃいますね。

松尾淳一
でもチャンスだと思いますよ。両方経験してるわけだから。対面とリモートで自社なりの営業の方程式を作る。営業の方も含めてやっていくっていうことが正しいことはないかなと思いますね。

鈴木健一
ありがとうございます。お時間もいいところになりましたので、この辺にて。マツオ先生、本日もありがとうございました。

 

今回の主なポイント

  • ハイブリッドなアプローチが重要で、リモートと対面のメリットを組み合わせて効果的な組織運営を目指すべき。
  • 従業員の声を聞きながら営業の成果を上げるため、白黒ではなくグレーゾーンを模索する必要がある。
  • リモートワークの良さや従業員の意向を理解し、ハイブリッドな営業形態を築くことが成功へのカギ。

Podcastで実際にお聞きになれます。

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