【松尾直伝!仕組み化のススメ18】テストの重要性②
いつもマネジメントデザインのブログをご覧いただき、ありがとうございます。
代表の松尾淳一です。
「仕組み作り」についてお伝えしていく「仕組み化のススメ」シリーズ、第18弾です。
前回は「仕組み化」のひとつである「テスト」についてお話しました。
「マニュアル」を作り会社全体で「業務のポイント」を共有する際、
従業員がどれだけ内容を理解しているか、目標を達成しているかを確かめるための
「テスト」が必要になります。
「テスト」というと堅苦しく感じますが、
社員の「達成度」をはかり、状況を知り、
その結果を一人ひとりにフィードバックしていく役割があります。
良いところも悪いところも、どちらもフィードバックすることで、
社員の良いところをさらに伸ばし、
悪いところは改善していくのです。
今回は、「テスト」を作る上でのポイントや、
「テスト」を行うタイミングについてお話します。
ポイントは6:3:1
テストを作る際の問題レベルの割合ですが、
基本問題:応用問題:発展問題=6:3:1が理想です。
「テストを作る時に、難しいもの作ってはいけない」とよく言われます。
学校や会社、どちらでも当てはまりますが、
生徒や従業員に「達成感」を与えるために、6割は基本的な内容を入れるようにするのです。
「ある程度やっていれば、最低60点とれるテスト」を作るのです。
がんばっても30点しか取れないほど難しい内容だと、
テストを受けている側は否定された気持ちになってしまいます。
テストは「受けた人の達成感」が重要なのです。
作る側としては、ついつい難しい問題を作りたくなるけれど、
基本的な内容を入れて、
受けている人が「できた!」と感じられるものを意識するのがよいでしょう。
とはいえ、教育のレベルを下げることは絶対にやってはいけません。
「挨拶ができるか」「時間を守れるか」など、
設定したレベルがあるかどうかは、きちんと採用の段階で確認しなければいけません。
例えば高校に入学するために、
「中学レベルの掛け算や方程式が解けること」は「前提条件」ですよね。
採用に関しても、「前提条件」を明確にしましょう。
採用の段階で失敗したものを、後から教育で伸ばすのは時間的にも難しいのです。
そもそも「前提条件」をクリアしてない人は採用しない方がいいでしょう。
また、テストを受けさせる側は、結果を見て評価をしたがります。
100点だった、60点だった、30点しかとれなかった……、
点数をもとに結果だけを見て「できた、できていない」を判断しがちです。
しかし何度もお伝えしていますが、
テストで大事なのは「フィードバック」です。
フィードバックをする上でのポイント
フィードバックでは、
テストを受けた従業員の良いところは褒めて、認める。
悪いところや出来てないところはアドバイスし、修正、改善してあげる。
「悪かった」「良かった」の評価をするのではなく、
その結果を受けて「やるべき事を伝えるあげること」が重要になります。
これはテストだけでなく、普段の業務の中でもいえることです。
社員や従業員の「良いところ」「悪いところ」をきちんと
フィードバックしてあげることが大切です。
さらに、そのフィードバックは内容が具体的であることが望ましいです。
「接客を頑張っているね。すごいね」と漠然とした内容ではなく、
「実際にあなたの接客はこういうところができているね。
あなたの接客を受けたお客さんから、満足の声が届いているよ」など、
実際の具体的な動きに対して伝えてあげるとよいでしょう。
「患者さんの目線になって笑顔であいさつしていたね、
患者さんが喜んでいたよ」
「初めて来店のお客様をご案内するときに、説明の方法がよかったね」
など、スタッフの様子を見ていればわかることもたくさんあります。
悪い部分に関しても、
「ここを工夫すれば、仕事がうまくまわるんじゃない?」
「ここを変えれば、お客様に伝わるんじゃない?」
と具体的な内容で伝えましょう。
フィードバックは、
(A)人から
(B)システムから
1:すぐに
2:具体的に
3:確実に
行われることが求められます。
例えば10月1日に、
従業員AさんとBさんが、お客様から評価されるような良い対応をしたとします。
そのフィードバックをAさんには10月1日の夕方、
Bさんは翌年の3月1日にしたとします(極論ですが)。
どちらが良いか。
もちろんAさんの方ですよね。
良い対応をして、その日のうちに評価され褒めてもらえたAさんは、
翌10月2日から「もっとがんばろう!」と思うでしょう。
半年後に「そういえばBさん、あの時のあの対応よかたっよ!」と
褒められても、その時の記憶は薄れているし、
喜びも感じづらいでしょう。達成感やモチベーションを上げる効果が低くなります。
すぐにフィードバックできるかどうかは、企業の環境によっても違います。
そもそもフィードバックすらしない企業もあるほどです。
みなさんの会社では、
可能であればすぐに、具体的な内容でフィードバックを伝えてほしいです。
そして、このフィードバックは「確実に」行われることが重要です。
忙しかろうと暇だろうと、確実にやる!
フィードバックしたりしなかったり……という中途半端なことは避けましょう。
また、Aさんにはするが、Bさんにはしないというふうに人を選ぶのもNGです。
時間や人物にとらわれず、
確実に全員に対して行うということを心がけましょう。